kobeniの日記

仕事・育児・推しの尊さなどについて考えています

語るなら知識量より熱量で!久谷女子第七号「WEB女子と偏愛」出たよ

あけましておめでとうございます!皆さん年末年始はいかがでしたか?私は義実家に帰省したら、「あんさんおせちのひとつもつくれまへんのか」と小姑にいびられました。ウソです。朝ドラの見過ぎです。2014年も当ブログをどうぞよろしくお願い致します。

さて、四号から参加しているWEB女子同人「久谷女子」の最新刊が出ました。本当はコミケで既に販売開始していたのですが、年末バタバタしておりブログを書けませんでした。通販が始まりましたので、あらためてお知らせです。
七号のテーマは「WEB女子と<偏愛>」。メンバーも寄稿の方々も、「ちょっと偏った愛」を存分に語ってます。対象も幅広く、マイケル・ジャクソンから裁判傍聴まで。今号も内容盛りだくさんで90P近くあったんですが、手前味噌ながら面白かったのでざっくり感想など書きますね。

 

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■ 「偏愛」とWEBはとても相性がいいんだな

「偏愛」というと、「偏る」という字のイメージからも、一般的には「えっそんなヒト・モノが好きなの?」というような、マイナーなヒト・モノを愛すること、を表しているように思います。(辞書的な定義だと、「あるヒトやモノだけを、偏って愛すること」なので、それ自体がメジャーかマイナーかは、特に関係がないようですが)今回、特に寄稿の方々のコラムで、「偏愛対象やその愛情についてWEBに流していたら、世界が広がった」という例をいくつも拝見しました。「ブログでネイルやネイルチップを公開していたら、ネイルサロンの撮影を依頼されたり、ウェディング用のネイルチップをつくってほしいと頼まれた」というtomokoさん(ネイル、@tomoko_and)。Twitter上で「『ハニワ』っていうドーナツをつくりたい」とツイートしたら、ハニー味のドーナツ(輪)というアイデアをもらって、新しいスイーツが誕生したというヤミラさん(お菓子づくり考古学、@yamiramira)。若い女性の裁判傍聴集団をつくったら面白いんじゃないかと、ブログとmixiのコミュニティを立ち上げた高橋ユキさん(裁判傍聴、@tk84yuki)などなど。自分の周囲に「好きだ」と公言したら「お、おう…」と反応されてしまうようなマイナーな「偏愛」でも、WEBに流してしまえば「僕も!」「私も!!」という人にきっと出会えますよね。WEB女子同人のテーマとして「偏愛」が出てきたのは、必然だったのかもなーと思いました。よく考えたら「同人誌」自体、商業誌よりは「偏愛」をつめこむ場所だものね……。


■ 偏愛で大切なのは、知識量より「好き」の熱量だ

これまで私は、偏愛対象については、ある程度の知識量がないと「ファンだ」とか「好きだ」と公言してはいけないんじゃないか?と思っていました。ですが皆さんのコラムを読んで、「好き」の形は様々なので、知識量は気にしなくていいのかも。と思い直しました。閑歳(孝子 @kansai_takako)さんが「マイケル・ジャクソン」愛を語っているのだけど、彼女の愛し方は「とにかく特定のPVを繰り返し観る」というスタイルだそうで(プライベートの言動などにはあまり関心がない)、それはそれでマイケル愛としてとても正しい感じがしました。
「偏愛」って、その人が対象の何をどう愛しているかという「語り」が面白いんだなと思います。えっそんなふうに見えるの!そんなふうに考えたことなかったよ!という「語り」は、こちらがファンでなくても聞いてて楽しいし、それがきっかけでこちらもファンになってしまうかもしれません。(友人からの又聞きですが、「ミスチルの歌詞は『神視点』と『凡人視点』を行ったり来たりしている」というような偏愛語りを聞いたことがあり、なにそれ面白い…もっと続き聞かせてくれよ…と思いました)
「愛する→知識を増やす」は簡単だけど、「知識を増やす→愛する」というのは実は難しいのではないか。この世のなにかを好きになる、愛するというのはある種の才能で、素晴らしい生きる力だと、私は思っています。うーむ、大きく出たな……。


■ 「JAPANレビュー」みたいなアーティスト語りやっぱ面白い

高校生の頃、小沢健二について長い長い手紙を友人宛てに書いたところドン引きされ、「あんた、JAPANレビュー(当時ROCKIN’ON JAPANにあった読者投稿ページ。長い)に投稿したら…」と言われました。今回も小沢健二について書きましたが、同じようにアーティストについて書かれたコラムがとても面白かったです。ゆかたん(@yukatan)さんの「KAN」も、くりおね(山口由美子 @clione)さんの「まっさん(さだまさし)」も、ファンだけがよく知っている本当のKANとか本当のまっさん、とりわけその歌詞の魅力について書いてあってすごく面白かった。必ずしも愛は勝たないし80年代のさだまさしは繊細なメガネ男子なんだ!もちろん、小沢健二も「ラブリーとかいって能天気な恋愛ソングを歌っている人」では全くないわけですが…とか言い出すと文章がキモくなる!アーティスト語りはちょっとキモいぐらいが丁度いいですね!

そのほかにも、mura24(@mura24)さんのコラムを読んで「パンを食べるためだけに旅に出るって新鮮だな…やってみたいな」と思ったり、金巻ともこさん(@tomoco)のコラムの「アイドルオタクには両親派閥とマジ恋派閥と籠に閉じ込めてずっと見ていたい派閥があると認識している」という一文を読んで、私の小沢愛は「両親派閥」というのに当てはまるんだな…とか思ったり。こへだ(@koeda)さんのパワポ愛を読んで、「えっ!?パワポってそんなことできるんだ!!」と、すごく小並感ですがそう思いました。私もよく仕事でパワポを使ってるんですが、私は彼のポテンシャルを引き出しきれてなかったなー。仕事しか付き合いのなかった同僚が、プライベートで組んでたプログレバンドがすごくカッコ良かった、みたいな、妙な気持ちを抱きました。PPTのヤツめ。

これだけ色んな偏愛語りが並ぶと、世界ってまだまだ面白いものに満ちてるんだなという感じがしてきます。読み終わったら、新しい好奇心の扉が開くこと間違いなし…!ですよ。


■ もうひとつの「偏愛」、メガネ男子本新刊は「丸メガネ男子論」でした

久谷女子付属メガネ男子愛好会というのがありまして、あさみさん(@adonis_fish)、岡田育さん(@okadaic)、いがやちかさん(@sisiodoc)さんと薄い本をつくっております。あと、ゲストにハトコさん(@hatoco)。今回は「風立ちぬ」の二郎さんと、「あまちゃん」のミズタクという、二大巨頭が現れてしまったため、丸メガネ男子について研究しました。

 

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座談会でいちばん盛り上がったのが「『風立ちぬ』の黒川と、『ごちそうさん』の大村さんがそっくりな件」だったのですが、紙面の都合でかなり割愛してしまいました…。二大巨頭、といいながら、影の主役が完全に黒川、という仕上がりになっています。
私は今回DTPも担当したので、丸メガネに詳しくなると同時に、薄い本ならば自分でつくれるようになりました。よく育休中に資格取る人とかいるけど、薄い本つくれるようになるのもある種のスキルアップだよね(棒 
メガネ本は通販しないので、今後は久谷女子のイベントや、夏以降のコミケ等でお買い求めくださいませ。また佳きメガネ男子が世に現れたら、次号も制作すると思います。


ということで、久谷女子便り第七号はこちらから通販で購入できます。どうぞよろしく!

久谷女子便り第七号『WEB女子と《偏愛》』 - 久谷女子 | アリスブックス